2017年もあと5日となりました。
不動産に投資をした人、他の資産に投資をした人、利益確定のために資産を売却した人、何もしなかった人、いろいろな行動をした人がいると思います。
この記事では、2017年の不動産市況を振り返ってみようと思います。
目次
地価の上昇が継続
公示地価・路線価ともに上昇傾向が続きました。
下落幅の小さくなっていた住宅地の地価は、わずかながらプラスに転じ、全体として堅調に推移しています。
低金利でお金を借りやすい環境が、地価上昇の要因のひとつとされています。
全体が堅調な一方で下落が続いている地点もあります。
通勤や買い物に便利な駅から徒歩圏内の地価が上がり、駅から離れた不便な場所の地価は下がるという二極化が全国的に広がっているようです。
投資用不動産市場は?
不動産投資と収益物件の情報サイト「健美家」は毎月、全国の収益物件のデータを集計し、最新の市場傾向として発表しています。
建美家の調査によると、2017年の投資用不動産の利回りはほぼ横ばい状態でした。
投資用不動産の利回りは2013年以降下がり続けていましたので、この1年間で投資用不動産の価格上昇は一服したと考えられます。
金融機関の融資が厳しくなった

建美家の不動産投資家へのアンケートによると、「金融機関の融資が厳しくなった」と感じている人が半数を超えました。
リーマンショック後の、富裕層や高属性者以外は不動産投資ができない時期と比べれば、融資は利用はやすい状態が続いていますが、安定した収入があれば、だれにでも貸してくれるほど緩くなくなったように感じます。
「金融庁がアパート融資を警戒している」という報道が散々されていましたが、日銀が公表した10月の「金融システムレポート」でも新規実⾏ベースでは、個人による貸家業向けが前年比マイナスに転じているほか、個人の資産管理会社や地場の不動産業者を含む中⼩企業向けの伸び率も急速に低下していると記載があり、融資が厳しくなっていることが分かります。
日銀のレポートには、「これまでの不動産市況の上昇傾向に変化が窺われつつあることや⼀部地域で賃貸住宅の空室率の上昇が続いていることも踏まえると、⼊⼝審査や中間管理などの⾼度化を通じて、信⽤リスク管理の実効性をこれまで以上に⾼める必要がある。」としています。
一定の資産がなければ、融資が受けられないという状況になりつつありますが、今までが簡単に融資が受けれられただけで、本来の審査状況に戻ったと言えるかもしれません。
国交省は、低金利でお金を借りやすい環境が、地価上昇の要因のひとつと指摘しています。
今回の融資引き締めにより、「不動産取引が減少し需要減による価格下落」が起きるのか?
不動産を買う人も売る人も、2018年は金融機関や金融庁の動向に注目して、行動してください。