2016年もあと1週間ほどとなりました。
不動産に投資をした人、他の資産に投資をした人、何もしなかった人、いろいろだと思います。
この時期になると来年の経済市況についての予測記事が多く出ますが経済の予測はできません。
去年の記事を見ていると円高でドル円相場は年末に100円とか日経平均は23,000円とかたくさん書いてあります。
経済誌に記事を書くようなプロでもこんな感じですから予測は難しいのです。
この記事では、2016年の投資用不動産市況をいろいろなデーターから振り返ってみたいと思います。
目次
2016年 土地価格
公示地価
全国・全用途平均は0.1%上昇、リーマンショック以降初めて(8年ぶり)上昇に転じました。
全国・商業地は0.9%上昇。
全国・住宅地は前年比0.2%と下落したが、08年以降で最も小さい下落幅となりました。
国交省は「都市圏や地方中枢都市だけでなく、全国的に地価の回復がみられる」としました。
ただし、リーマン前の価格水準には戻っていません。
路線価
16年路線価は全国平均で0.2%上昇し、8年ぶりに上昇しました。
14都道府県が上昇し、首都圏では東京都が2.9%(前年2.1%)、神奈川県が0.5%(同0.6%)上昇しました。
1都3県は2015年に続いての上昇です。
仲介会社調査の土地価格
野村不動産アーバンネットの調査した住宅地の地価動向(10月1日時点)によると東京23区は2.7%、東京都下は1.1%、神奈川県は0.3%、埼玉県・千葉県は1.3%の上昇となりました。
この調査は通常取引を想定した実勢価格を査定していますので売買の相場に一番近い指標です。
2016年 投資用不動産利回り
日本不動産研究所「不動産投資家調査」2016年10月
不動産投資家のAクラスビル(オフィス)の期待利回りは東京及び主な政令指定都市において前回比で横ばいの地区と0.1~0.2%低下した地区とが混在する結果となりました。
調査開始以降最も低い水準となった「丸の内、大手町」の期待利回りは今回調査では前回比で横ばいとなったが「赤坂」「西新宿」「渋谷」などでは前回比で0.1%低下しました。
2013年以降続いた期待利回り低下の動きに変化が見られました。
投資用不動産利回り
楽待「物件統計レポート」2016年12月
不動産投資サイト『楽待』を運営するファーストロジックが発表した同サイトの「投資用 市場動向データ 2016年11月期分」の調査結果によると、投資用不動産の全物件種別で価格が下落しました。
中でも一棟アパート、マンションの価格は前月と比較して10%以上下落しています。
前月には全物件種別で利回りが上昇していたことも合わせて、投資用不動産価格の上昇トレンドはピークを過ぎ、下落トレンドに転じた可能性を指摘しています。
リーマンショック以降、低迷をしていた不動産価格はこの2,3年で上昇しました。
上昇の原因は株価の上昇などの経済的な要因や金融機関の積極的な融資姿勢などがあります。
最近は「アパートローンの急拡大を受け、金融庁と日銀は実態把握に乗り出した。」という記事も増えました。
このような金融庁の姿勢には人口・世帯数の減少が確実視され、空室率の上昇など供給過剰感が出始めていることもあります。
最初にお話しした通り、これから起こることを予測することはできません。
来年はどうなるか分かりませんが投資用不動産市場の転換期となる可能性は十分にあります。