地方銀行の「サラリーマン大家」向け不動産投資スキームの問題点

『「頭金ゼロでサラリーマン大家」を借金漬けにする地方銀行のウラの顔』について解説します。

話題の記事、『「頭金ゼロでサラリーマン大家」を借金漬けにする地方銀行のウラの顔』について解説します。

この記事は「プレジデントOnline」に掲載されているもので、4月に掲載された『要注意!「頭金ゼロでサラリーマン大家さん」のカラクリ』の続編です。

一部の地方銀行が行っている「サラリーマン大家」向けの不動産投資スキームは、空室保証をつけて担保評価を高め、フルローンを組ませるというものです。しかし、このスキームにはいくつかの問題点があります。

某地方銀行の「サラリーマン大家」向け不動産投資スキームの問題点

地方銀行の「サラリーマン大家」融資スキームは、以下の流れで行われるのが一般的です。

  1. 地方銀行が、地方の空室物件を不動産会社に購入させる
  2. 不動産会社が、空室を埋めるために6か月程度の空室保証をつける
  3. 不動産会社が、空室保証付きの物件を「頭金ゼロ」で販売する
  4. 投資家が、不動産会社から物件を購入する
  5. 投資家は、地方銀行から物件の購入資金を借りる

このスキームの最大のポイントは、空室保証を活用して担保評価を高めることです。

不動産会社が物件を購入する段階では、空室が多く、相場よりもだいぶ安くなっています。

しかし、空室保証をつけることで、地銀が行う収益還元法の評価額が高くなり、フルローンが組めるようになります。

そのため、空室だらけだった物件が、フルローンが組めるほどの担保評価の高い物件となるのです。

このスキームは、法に抵触するものではありませんが、以下のような落とし穴があります。

空室保証が切れた後の空室率は高くなる可能性がある

空室保証は、一定期間(一般的に6か月程度)空室が発生した場合に、不動産会社が空室の家賃を補償するものです。

しかし、空室保証が切れた後は、空室率が再び高くなる可能性があります。

これは、そもそも人が少ない地域で賃貸住宅の需要が低いことが原因です。

また、空室保証期間中は、不動産会社は空室を埋めるために短期入居者を入れることがあります。

しかし、短期入居者は家賃を滞納したり、退去時に原状回復費用でトラブルになるケースも少なくありません。

空室保証が切れた後の空室率は、さらに高くなる可能性があります。

投資に適していない物件にフルローンを組むと、返済が困難になる

フルローンを組むためには、物件の担保評価額が30年間の返済額を賄える必要があります。

しかし、空室保証を活用して担保評価を高めたとしても、物件の相場よりも高い価格で購入することになります。

そのため、物件の収益率が低く、返済が困難になる可能性があります。

また、物件の価格が高ければ、ローンの総額も大きくなり、返済負担はさらに重くなります。

赤字を補填するために追加投資を持ちかけられて、借金漬けにされる可能性がある

空室保証が切れた後、空室率が高くなって収支が赤字になった場合、投資家は地銀から追加投資を持ちかけられる可能性があります。

「新しい物件を買って赤字を補填しましょう、フルローン(オーバーローン)で融資をするので、その収入で赤字が補てんできます。」

このように、地銀は投資家に追加投資を促して、借金漬けにするケースが少なくありません。

追加投資をすることで、一時的に収支が改善するかもしれませんが、根本的な解決にはなりません。

まとめ

不動産投資を行う際は、以下のような点に注意しましょう。

  • 物件の立地や周辺環境をよく調べる
  • 空室リスクを十分に考慮する
  • 返済負担が重くならないよう、無理のない購入計画を立てる
  • 追加投資のリスクを理解する

不動産投資は、資産形成の手段として有効ですが、リスクを理解せずに投資をすると、借金漬けになるなどのトラブルにつながる可能性があります。

不動産投資を行う際は、慎重に検討し、十分な情報収集を行うようにしましょう。


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