不動産投資を検討している人からよく聞かれる質問に回答したいと思います。
「不動産投資するなら1棟所有、区分所有どっちが得ですか?」
先に結論を申し上げます。
「どちらも長所短所があり自分の投資方針にあうものを選べばいい」
それでは1棟と区分所有のメリット・デメリットを考えてみましょう。
目次
1棟と区分所有のメリット・デメリット比較
1棟所有のメリット
・資産形成のスピードが早い。
・土地を所有できる。
区分所有のメリット
・共用部分の管理をしなくてもいい。
・分散投資がしやすい。
・流動性が高く売却時に買い手が探しやすい。
1棟所有のデメリット
・区分所有に比べて設備が陳腐になりやすい。
・区分所有に比べて流動性が低い。
区分所有のデメリット
・自分の裁量で運営できるのは室内のみ。
・投資規模の拡大に手間がかかる。
・土地も区分所有。
よく、区分所有の空室リスクをデメリットにあげる人がいます。
1棟マンションで20部屋あれば2部屋空室がでても10%の空室。
区分所有のマンションを2部屋持っていて1部屋空いたら50%の空室。
よって区分所有の空室リスクは高い。
これは投資初期の1室、2室しか持っていない時だけの話になります。
空室リスクの比較という話しなら区分所有も同じ部屋数を持っていなければ比較になりません。
上記の場合、前提条件が同じ20室でなければこの比較はあまり意味はないのです。
おそらく同じ部屋数で比べると区分所有のマンションの方が空室率は低いでしょう。
1棟所有・区分所有どちらを選べばいい?
形成のスピードを求める人、自分の裁量で管理運営を進めたい人には1棟所有の方が合っています。
1棟所有の場合、1件の物件で複数室+土地を購入できるので区分所有と比べて資産形成のスピードが早くなります。
ただ、1棟所有のマンションは管理会社が定期的に大規模修繕を行う区分所有に比べて設備面で劣ることが多く、空室の原因になりえます。
運営面の工夫や修繕工事の検討などが必要になるので、管理に時間を取れない人は管理会社に管理委託するか区分所有の物件をお勧めします。
区分所有のマンションは資産規模の拡大に時間と手間がかかります。
アパートなら1回の売買で10室くらいずつ増えますが、区分所有は1回の売買で1室しか増えません。
1回の取引規模は小さくなりますが、地域の分散や所有する部屋のタイプを変えて所有することができます。
資産形成のスピードよりも分散投資を優先する人には区分所有の方が合っています。
区分所有のマンションでは建物規模の大きさもあり、設備面では1棟所有よりも優れていることが多く空室は埋まりやすいので入居者の管理さえ管理会社に委託してしまえばほぼやることはありません。
一方で、管理費や修繕積立金が決められているので運営費用の節約で収支改善をすることはできません。
建物の管理等についても、自分が所有しているマンションの管理組合員の一人として意見を述べることはできますが、あくまで区分所有者の一人としての意見なので、自分の裁量で運営をしたい人には向きません。
「1棟所有と区分所有のどちらがいいか」答えは投資をする人の方針次第です。
上記のメリット・デメリットを考えて自分の投資方針にあった物件を選んで下さい。