不動産

新築マンション価格はバブル期超え 今後の不動産価格の動向は?

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マンション

「オリンピック後に不動産価格が下がる」「2022年生産緑地法問題で不動産価格が下がる」など不動産価格が下がる説は毎年形を変えて現れますが、不動産価格の高騰は続いていて不動産価格が下がる兆候は見られません。

多くの人にとって「家」は人生でする買い物の中でもっとも高額です。

高額なうえに価格が上下するため家を買ったり売ったりするタイミングはいつが良いのか迷う人は多いと思います。

この記事では不動産価格高騰の要因を説明し、今後の不動産価格の動向を予測します。

この記事の著者⇩

この記事の著者は不動産実務歴20年のファイナンシャルプランナーです。

この記事の内容

  • 最新の不動産価格の推移
  • どうして不動産価格が高騰しているのか?
  • 今後の不動産価格の動向予測

先読み この記事の結論

長期の不動産価格の変動は予測不可能ですが短期的には上昇か横ばい程度になると考えられます。

最新の不動産価格の推移

価格の推移グラフ

不動産価格の推移が分かるデータを2つ紹介します。

新築マンション価格 バブル期超え

バブル経済イメージ

不動産経済研究所のデータによると新築マンション価格はバブル期の価格を超えて過去最高となったとのことです。

2021年の首都圏新築分譲マンションの平均価格は6,260万円と3年連続で上昇し、バブル期のピークを上回り過去最高を記録した。「億ション」と呼ばれる1億円を超える物件の供給量も過去最多に迫るなど、高額物件が市況を後押しした。不動産経済研究所が25日に発表した。

ブルームバーグ 2022年1月25日

私はバブル期を体験していませんが、バブル期に建てられたマンションの分譲時価格表を見たことがありバブル期超えの報道には違和感がありました。

このデータを報道したブルームバーグの記事には価格の高い東京23区のデータがバブル期のデータでは20%に対し、今回のデータには40%含まれるとしており今回はデータ抽出の問題で価格が高くなっている側面があるようです。

バブル期ほどではないにしても新築マンション価格が高騰しているのは間違いありません。

不動産価格指数

国交省は不動産価格の動向を指数化した「不動産価格指数」を毎月公表しています。

不動産価格指数グラフ
国交省ホームページより引用

2010年の平均を100として2021年には南関東圏の土地・戸建住宅は約110、マンションは約160と価格が上昇していることが分かります。

どうして不動産価格が高騰しているのか?

イメージ「どうして不動産価格が高騰しているのか?」

不動産価格が変動する要因はたくさんありますが、昨今の価格高騰に大きく影響していると思われる要因をピックアップしてみます。

日銀の金融政策で不動産価格が上がる

金融政策イメージ「お金」

日銀は「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を行っています。

金融緩和を行うことで不動産の価格は上昇します。

日銀の金融緩和は2%の「物価安定の目標」を目指して世の中のお金の量を増やすと同時に金利操作で金利を引き下げます。

世の中にある国債を日銀が買い、その代金を払うことで世の中にあるお金を増やすという政策を行います。

物の数が同じでお金の量が増えればお金の価値が下がります。

お金の価値が下がると世の中にある様々な物の値段が上がります。不動産も様々な物のひとつですから値段が上がります。

金利操作による低金利は銀行のローンにも及びます。低金利でお金を貸してくれることで物件取得が活発化して価格が上がります。

低金利に加えて世の中のお金の量も増えています。銀行は増えたお金を現物の担保が取れて比較的安全な不動産へ融資します。

銀行が不動産融資に積極的になることも価格上昇を後押しします。

金融緩和によって相対的に「円」が増えるとドル建でみた日本の不動産が割安になります。

その結果、海外投資家による国内不動産の取得が増えるといった価格の上昇要因もあり、金融緩和は様々な経路から不動産価格を上昇させます。

建材価格の高騰で建築費が上がり不動産価格も上がる

建築資材

建築需要の増加や原材料高・原油高などの要因で建材価格が高騰しています。

①ウッドショック

木材価格の高騰が起きています。
要因は虫害や山火事等で原料が不足しており、コロナで製材所の休業を余儀なくされた中でアメリカの住宅建築需要が増加したことと言われています。

膨大な財政出動(GDPの約30%)と低金利政策が取られた結果、アメリカではリモートワークで自宅にこもるようになった市民が住宅を郊外に新しく購入したり、リフォームを行ったりする流れが進んでため住宅建築需要が増加しました。

②アイアンショック

日本は鉄鉱石を国内で得ることが出来ないので輸入に頼っており、国外における需要が急増するなど、需給バランスが崩れると、取引価格が上昇します。

2021年の夏頃をピークに鉄鉱石の価格は落ち着いてきているものの、メーカー側は値上げを発表しており価格の高騰は続いています。

設備価格の高騰で建築費が上がり不動産価格も上がる

原油高による原材料・輸送費の高騰、コンテナ不足、半導体不足、脱炭素など様々な要因で住宅設備の価格も高騰しています。

原油価格は上がったり下がったりするものですが、一部報道では世界が脱炭素の方向に進み原油採掘に投資が向かないことにより増産は期待できないと言われています。

この傾向が続けば原油価格は高止まりし、あらゆる住宅設備の高騰は続く可能性があります。

今後の不動産価格の動向予測

今後の価格動向

長期の不動産価格の変動は予測不可能ですが短期的には上昇か横ばい程度になると考えられます。

不動産価格高騰の要因 金融緩和はいつまで続くのか?

日銀は消費者物価指数を指標にして金融緩和を継続するか判断をしています。
「携帯電話通信料の引き下げ要因が剥落し、それに諸要素が重なれば、4月以降に消費者物価の前年比は瞬間風速的に2%に近い水準まで上昇する可能性がある」という意見はあるものの、モメンタムが維持されて2%のインフレの定着が確認されるまで緩和を行うのが最も確実であるとまとめられています。

アメリカのように7%の高インフレが起きているわけではなく、黒田日銀総裁は「日本では海外のような急ピッチの物価上昇は起きない」との認識で金融緩和が早期に縮小される可能性は低いというのが現状です。

建材や設備の高騰はいつまで続くのか

建材や設備価格高騰の原因である原油高ですが、しばらく続く見通しです。

コロナ前から脱炭素の影響で産油国が減産傾向であること、アメリカのバイデン大統領の政策によりシェールオイルの生産が増やせないことから原油高は解消しそうにありません。

原油高が原因で起きている原材料高は解消しないことから建材設備の高騰はまだ続きそうです。

この記事のまとめ

記事内容の要約

本記事の内容をまとめます。

  • バブル期ほどではないにしても不動産価格は2013年以降上昇を続けている
  • 特に新築マンション価格は高騰している
  • 価格が高騰している要因は日銀の金融緩和、原油高・原材料高による建材価格の高騰
  • 日銀の金融緩和は少なくとも1年以上は続きそう
  • 原油高が解消する見通しはなく原材料高も続きそう
  • 短期的な不動産価格は上昇か横ばい程度になりそう

不動産価格の見極めることはできませんが、不動産価格が変動する日銀の動向や資源価格の推移に十分に注意しておいたほうがよいです。

特にお金の量や政策金利は銀行の融資姿勢に影響し不動産価格への影響が大きいので日銀の動向は最重要ポイントです。

長期的な不動産価格の変動は予測不可能ですし、家を買ったり売ったりするタイミングは人それぞれですから、不動産価格の動向に合わせて不動産の売買をすることは難しいのが現実です。

まずは将来起こりうるような事態も織り込んでライフプランを明確にして不動産売買の準備をしておくとよいでしょう。

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