多くの関連本が出版されてセミナーの開催も多い不動産投資ですが、投資を実際にしている人はそれほど多くありません。
不動産投資をしようと思っても断念する人が大多数なのです。
この記事では、不動産投資(不動産賃貸業)の参入ハードルについて説明します。
目次
不動産投資の本は「広告」 現実はそんなに甘くない。
不動産投資関連の本には、良いことばかりが書いてあります。
出版されている本のほとんどが、著者(もしくは著者の会社)が出版社にお金を払って本を出している「広告」だからです。
広告に夢のないことを書いても意味がありません。
本を読んだ人から不動産を買ってもらう、相談料をもらうなどして出版という広告経費を回収しなければなりません。
そのためには、良いことをたくさん書いて、問合せをしてもらわなければいけないからです。
本を買ってもらうために、購入者特典で動画を配信したりして、いろいろな方法で広告費用を回収しようとします。
良いことばかりを書いてある本を読んで、投資を始めようとするので現実離れした物件を探してしまいます。
「そんなおいしい物件はないんだ」と気づくまでに、数か月物件を探して物件探しは終了、投資の実行には至りません。
厳しい現実 融資を受けるのは難しい
サラリーマン投資家の利用するアパートローンは金融機関のパック商品なので、利用できる人の条件や貸出条件、物件の審査などが概ね決まっています。
積算評価が高い物件を銀行に持ち込めば、誰でも融資を受けられるようなことが書いてある本を読んでいると、金融機関の審査の厳しさにショックを受けます。
物件の積算評価が高ければ、誰でもフルローンやオーバーローンは簡単に受けられると思っている人は結構多いのです。
前に、楽待の記事にこんなものがありました。
~金融機関に言われてショックだった言葉たち~
『お金も資産もない人にはお金は貸せません』
『自己資金のない方には融資はできません』
『あなたの勤めている会社では当行で融資はできません』 など。
金融機関では、融資基準が決まっているのですから、基準に合わない人はどんな物件を持ってきても断られてしまいます。
不動産投資に参入できる人は、厳しい現実を受け入れられる人
現実を受け入れて投資を実行する人と、夢を追い続けてあり得ない条件で物件を探す人がいます。
夢を追い続ける人ほど罠にはまって失敗します。
「頭金ゼロでサラリーマン大家」を借金漬けにする地方銀行のウラの顔①
「頭金ゼロでサラリーマン大家」を借金漬けにする地方銀行のウラの顔②
2010年平均を100として、計算された国交省の住宅価格指数(2016年4-6月期)は、2012年4-6 月分より17 期連続でのプラスとなっています。
指数は127.3ですから、約30%物件価格は上がったことになります。
このような市況ですから、投資を断念することも無理はないのだと思います。
しかし、このような市況なので融資が受けやすいことも事実です。
物件は高いけれど、融資が利用しやすい時が買い時か、物件は安いけれど融資の利用が難しい時が買い時か、人それぞれ資産背景などで判断が異なると思います。
これからの時代、長寿化のための老後資金の確保などの理由から、なんらかの資産運用が必要となっていることは間違いありません。
ただ、無理をしてリスクの高い物件に投資をしないように気をつけながら物件を探してください。
何の理由もなく安い物件や、利回りの高い物件はないのです。