不動産投資は、うまくいけば大きな利益を得られる可能性がある一方で、失敗すれば大きな損失を被るリスクもあります。
特に1棟売マンション・アパート投資は、投資額が大きいため失敗すると損害が大きくなってしまいます。
失敗する主な原因は「過度な融資利用」と「楽観的なシミュレーション」です。この記事では、不動産投資の失敗パターンと、失敗した後のリカバリー方法について解説します。
目次
1棟マンション投資の失敗パターン
失敗の原因① 過度な融資利用
不動産投資では、ローンを活用するケースが多くあります。フルローン投資とは、物件価格の全額をローンで借り入れる投資方法です。フルローン投資は、初期費用を抑えることができるメリットがありますが、以下の落とし穴には注意が必要です。
- 返済負担が重い→フルローン投資の場合、ローンの返済額が収入の大半を占める可能性があります。そのため、返済が滞ってしまうリスクが高くなります。
- 収益性が低い→フルローン投資の場合、物件購入費用をすべてローンでまかなうため、ローン返済額が多くキャッシュフロー(手元に残るお金)がほとんどありません。そのため、収益性が低く、投資効果が薄れる可能性があります。
- 空室リスクが高まる→フルローン投資の場合、空室が発生した場合の収入減が大きな打撃となります。そのため、空室によるダメージが大きくなります。
特に、家賃が下落したり修繕が必要になったりすると、返済がさらに厳しくなります。
失敗の原因② 楽観的なシミュレーション
不動産投資を行う際には、収支のシミュレーションを作成します。
しかし、シミュレーションが楽観的すぎると、実際の収支と大きく乖離してしまいます。
例えば、
- 家賃がずっと一定で下がらない
- 周辺相場よりも家賃が高い
- 運営経費が一定で増えない(修繕を見込んでいない)
- 所得税、住民税などの税金の支払いはキャッシュフローに含まない
などの前提条件を甘く設定すると、収支が赤字になってしまうリスクが高くなります。
収支が赤字になってしまった時のリカバリー
収支が赤字になってしまったら、以下の方法でリカバリーすることになります。
- 融資の繰り上げ返済→収支がマイナスにならない程度まで繰り上げ返済をすることで、支払う利息を減らすことができます。ただし、まとまった資金が必要になるため、難しいケースもあります。
- 稼働率の改善→リノベーションによる商品力のアップや、賃料の値下げによる競争力アップなどで、空室率を減らすことで、収支を改善することができますが、資金面で難しいケースもあります。
- 売却→収支がマイナスになっている場合は、売却して損失を確定するのが最も確実な方法です。ただし、売却しても損失を回収できない可能性もあります。
不動産投資を「融資」で失敗しないためには
不動産投資は、しっかりとした準備と知識がなければ、失敗してしまうリスクが高い投資です。
特にフルローン投資は、収支がマイナスになる期間が長くなり、失敗するリスクが高くなります。
不動産投資を失敗しないためには、以下の点を意識しましょう。
- シミュレーションの時点で、ある程度の収支の悪化でも赤字にならないような資金計画を考える
- 資金を手元に残す目的でなければ、フルローンの利用は避ける
- 地方の物件の場合には、最低でも2行の銀行から評価の出る物件を選ぶ
不動産投資は、立地条件が大きく運営に影響を与えます。
立地条件の良い物件を、しっかりとしたシミュレーションを行った資金計画で購入すれば、大きな失敗をすることはないでしょう。
不動産投資を始める前に、物件選びや資金計画、管理運営などについて、しっかりと勉強しておくことが大切です。
また、不動産投資はあくまでも投資であり、リスクがあることを理解しておきましょう。