不動産投資

不動産投資の失敗とそのリカバリー 1棟購入編

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不動産投資の失敗とそのリカバリー 1棟購入編

前回に引き続き、不動産投資の失敗とそのリカバリーについて考えます。

今回は、1棟売マンションやアパート購入の失敗についてです。

1棟売マンションやアパートは、投資額が大きいため投資に失敗すると、その損害は非常に大きくなります。

失敗する要因は主に「過度な融資利用」と「楽観的なシミュレーション」です。

失敗の原因① 過度な融資利用

失敗の原因① 過度な融資利用

リーマンショックの頃、ノンリコースローンに近いタイプの融資をしたメガバンクがあり、フルローンが受けやすかった時期がありました。

物件の収益力と土地評価を根拠にして、自己資金のない人でも高属性であれば、一棟投資物件をフルローンで買える時期があったのです。
その時期に行った投資が、今でも成功しているかは分かりません。

そんな時期に物件を買った人たちが、本を書いたりセミナーをしたりして、不動産投資を勧めています。

フルローンで一棟物件を買えると言えば、本も売れるしセミナーで集客できます。
たいがいは、土地評価が高い物件を狙えば、金融機関が積算評価で融資をしてくれるという内容です。

土地建物の積算価格と、物件の収益性とは全く関係がないのですが、積算評価が高くフルローンが組めるからという理由で物件を買ってしまい、失敗するケースが多いようです。

本来、不動産投資は自分がどんな目的で投資をするのかを明確にし、その目的に応じて、物件を選びます。


目的が違えば、収益の目標や物件の選び方の基準も変わってきます。

しかし、自己資金を使わずフルローン投資をすることが目的になってしまうと、不動産にとって重要な立地条件や収益性、建物の状態などが後回しになってしまい銀行評価の高い物件を買うことが目標になってしまいます。

フルローンで投資をしても、極端に稼働率が悪くない限り、最初の数年間は利益がでます。
しかし、家賃が下がったり修繕が必要になったりすると、返済に耐えられなくなります。
ただでさえ、フルローンの収支は10年程度で赤字になります。

参照

不動産会社は教えてくれない? 投資をした場合のキャッシュフローシミュレーション

それにプラスして、修繕や稼働率の悪化が起きれば、経営は厳しくなります。

失敗の原因②楽観的なシミュレーション

失敗の原因②楽観的なシミュレーション

フルローン投資で行き詰った人のシミュレーションを見ると非常に楽観的だったり、前提条件が甘いものが多くあります。

例えば、
・家賃がずっと一定で下がらない
・周辺相場よりも家賃が高い
・運営経費が一定で増えない(修繕を見込んでいない)
・所得税、住民税などの税金の支払いはキャッシュフローに含まない

などがよく見られます。

上記のようなシミュレーションを作成して物件を売る不動産会社にも問題はありますが、そのシミュレーションで物件を買ってしまう投資家にも問題があります。

収支が赤字なってしまった時のリカバリー

収支が赤字なってしまった時のリカバリー

収支が赤字になってしまったら、できることは限られています。

融資の繰り上げ返済

収支がマイナスにならない程度まで繰り上げ返済をします。
ただし、家賃収入は建物が古くなれば減額していきます。
大きな繰り上げ返済をしない限りは、一時的な延命措置に過ぎません。

稼働率の改善

建物が古くなったことで、稼働率が悪化したことが原因なら、稼働率の改善を考えます。
リノベーションによる商品力のアップや、賃料の値下げによる競争力アップなどが考えられます。

売却

収支がマイナスになったら、売却してしまうことも選択肢の一つです。
ただし、残債以上の金額で売れる保証はありません。

特に地方の物件の場合には、金融機関の融資姿勢によって、需給のバランスが崩れると大きく値崩れを起こすリスクがあります。

参照

 

不動産投資を「融資」で失敗しないためには

不動産投資を「融資」で失敗しないためには

シミュレーションの時点で、ある程度の収支の悪化では赤字にならないような資金計画が大切です。

資金を手元に残す目的でなければ、フルローンの利用は避けた方がいいでしょう。

地方の物件の場合には、最低でも2行の銀行から評価の出る物件を選びましょう。

自身の属性に頼って、過剰な融資を受けてしまった物件は、売却時に必要な額の融資を受けられない可能性がでてきます。

融資が受けられない物件は、需要と供給の関係で購入時よりも、大幅に値崩れを起こしリカバリーはできません。

不動産は立地条件が大きく運営に影響を与えます。
立地条件の良い物件を、しっかりとしたシミュレーションを行った資金計画で購入すれば、大きな失敗をすることはありません。

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