先日、サブリースについての記事がありました。
「家賃保証」アパート経営、減額リスクの説明義務化 8月11日 朝日新聞

今朝のテレビでも空き家問題の中でサブリースや新築アパートについての特集が放送されていました。

「空き家をわざわざ建設して困惑」  テレビ朝日 モーニングショー

『30年一括借り上げ』テレビCMなどでよく聞く謳い文句ですが、家賃の減額などをめぐってトラブルが多発していました。

これを受けて国交省がサブリースは将来、家賃が減額される可能性があることを説明することを徹底するよう制度改正を行いました。(平成28年9月1日から施行)

この記事では、サブリースの問題点と、トラブルになった時の対処について説明します。

サブリースの仕組み

通常はオーナーは入居者と直接契約をします。
不動産会社は、募集業務や契約業務などを行うだけです。

サブリースは、オーナーと不動産会社が一括借上げの賃貸契約(マスターリース)をします。
賃料は相場の80~90%程度の場合が多いです。

不動産会社は、一括借上げで契約した物件を入居者に貸し出します。(サブリース)

本来はオーナー・不動産会社双方にメリットがあります。
オーナー側は賃料が相場よりも安くても、一括で借り上げてくれることで空室リスクがなくなり経営が安定します。

不動産会社は満室にしてしまえば、借上げ賃料と入居者が払う賃料の差額が利益になります。

なぜ双方にメリットがあるはずのサブリースでトラブルが多発する?

なぜ双方にメリットがあるはずのサブリースでトラブルが多発する?

問題となるのは借上げ賃料の値下げと中途解約です。

借上げ賃料の値下げ

一般的に借上げ賃料は数年ごと(契約書によって異なるが2年~10年が多い)に見直しがあります。
値下げがあることを説明しない業者とオーナーがトラブルになります。

「建物が古くなれば家賃は下がるので、借上げ賃料は○年ごとに見直しがあります」
建物が古くなれば、家賃が下がるのは当然です。
きちんと説明していれば、トラブルになることはありません。

しかし、30年間家賃が保証される(最初の契約賃料で)と誤認させたい業者は、これを説明しません。

国交省は、この点を問題視して制度改正に動いたのです。

サブリースの中途解約

物件はずっと満室で、サブリースをしているのがもったいないと思うようになる人はたくさんいると思います。
しかし、サブリースの契約は一度締結してしまうと解約は難しくなります。

マスターリース契約では、「貸主=不動産オーナー、借主=サブリース会社」です。
借地借家法によって、借主の権利は保護されるため、貸主は正当事由がない限り契約を解除できません。

サブリース会社は、法律上の保護される借主となります。
解約してもらうためには、正当事由を補完する相応の金銭(立退き費用)が必要となります。
解約したくても借主が応じてくれない限り解約はできません。

サブリースでトラブルになった時の対処方法

サブリースでトラブルになった時の対処方法

借上げ賃料の値下げ

値下げそのものは建物が古くなれば家賃が下がるので当然のことです。
しかし、値下げに応じられない状況(ローン返済など)であれば値下げを断固拒否するという方法があります。

値下げを断固拒否し続けると、オーナー側の希望額に近づけてくるか、「値下げができないなら解約します」という方向に話が進みます。

解約して自分で管理すればいいのです。

借上げ賃料は、相場の80~90%の家賃ですから、10年間で下がった実際の賃料とそれほど変わりません。


自分で管理して運営すれば、もとの借上げ賃料程度の収入を得ることができる可能性があります。

サブリースが中途解約できない

借主である不動産会社は、借家権で守られているため、オーナー都合の解約はできません。
解約できるとすれば、借上げ賃料の値下げ交渉の時期に値下げを拒否して、解約に持ち込むという方法です。

どちらのトラブルも、借上げ賃料の値下げ交渉の時が解決のチャンスになります。
(ただし、サブリース契約書の内容によっては該当しない場合もあります)

サブリース契約解除後に、自分で管理をすることができない人は、管理会社に5%程度の手数料を払って管理を委託して下さい。

管理会社に頼んでも空室が埋まらず、収支が改善しないような物件の場合には、サブリースのトラブルというよりは需要のない場所に投資をしてしまった「投資そのものの失敗」です。

不動産のトラブルの大半は、契約書や重要事項説明書をしっかりと読まない(説明を求めない)ことによるものです。

契約の時には、納得がいくまで話を聞くようにすれば、多くのトラブルは起きることはありません。

契約書類は、すみずみまでしっかり読むように注意してください。

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