住宅は、多くの人にとって人生の中でも大きな買い物です。住宅購入者の多くは住宅ローンを利用します。しかし、予期せぬ収入減少などにより、返済が厳しくなる方も少なくありません。

本記事では、住宅ローン返済が厳しいと感じている方に向けて、滞納前にできることと解決策を詳しく解説します。

差押えられた家
Left Facing Foreclosure For Sale Real Estate Sign in Front of House.

住宅ローン返済が厳しいと感じるサイン

以下のような場合は、住宅ローン返済が厳しい可能性があります。

  • 毎月ギリギリで返済している
  • ボーナス払いが厳しい
  • 返済のために生活費を削っている
  • 将来の返済が不安

そして以下のような原因で返済ができなくなり滞納が始まります。

  • 収入の減少
  • ボーナス減額
  • 金利上昇
  • 病気や怪我
  • 離婚

最初から途中でローンが払えないと思ってローンを組む人はいません。
返済期間中に上記のような予期せぬ事情でローンが払えなくなることは誰にでも起こりえることなのです。

住宅ローンの滞納前にできること

住宅ローン返済が厳しいと感じたら、早めに以下の対策を行いましょう。

  • 家計を見直し、無駄な支出を減らす
  • 収入が増えるなら転職を検討する
  • 副業やパートで収入を増やす
  • 金融機関に相談し、返済条件の変更を検討する
  • 親族から援助が受けられるなら繰り上げ返済で元金を減らす

住宅ローンの返済のために消費者金融などから借金をすることは絶対にやめましょう。

住宅ローンを滞納してしまった場合の対応

住宅ローン返済を滞納してしまうと、以下の様な問題が発生します。

  • 遅延損害金が加算される
  • 信用情報に傷がつく
  • 競売にかけられる可能性がある

滞納を放置してしまうのは最悪の対処方法です。滞納してしまった場合は、すぐに金融機関に連絡し、対応を相談しましょう。

具体的な解決策

住宅ローン返済が厳しい場合は、以下の解決策を検討することができます。

家計改善

家計を徹底的に見直し、無駄な支出を減らします。支出を減らしたうえで可能ならば副業やパートなどで収入を増やして返済原資を作ります。

金融機関への相談

金融機関によっては、以下のような返済条件変更の対応が可能です。

  • 返済期間の延長
  • 金利の見直し
  • 返済額の減額

金融機関に相談することで、自分に合った解決策を見つけることができます。
各金融機関目立つところではありませんが、ホームページに返済条件の変更について窓口や手続きを紹介しています。

参考:住宅支援機構「月々の返済でお困りになったとき」

任意売却

住宅ローン返済がどうしても難しい場合は、任意売却という選択肢もあります。
任意売却とは、債権者の同意を得て、競売ではなく一般市場で売却する方法です。
競売よりも高く売却できる可能性があり、住み替えも可能です。

任意売却は不動産会社に査定などを協力してもらい手続きを行う必要があります。
任意売却に慣れている不動産会社を選んで依頼しましょう。

参考:融資住宅等の任意売却

任意売却を認めてくれる条件は金融機関によって異なります。

滞納から〇か月で競売手続きなどと決まっている場合があり、競売手続きが始まると任意売却ができない場合もあります。

任意売却を行う場合はなるべく早めに相談しましょう。

債務整理

上記のような解決策が難しい場合は、債務整理という選択肢もあります。
債務整理には、以下のような種類があります。

個人民事再生

裁判所の監督下で、借金の減額や分割払いなどを行い、将来的に借金を返済できるように再建を目指す手続きです。住宅ローンの特則で自宅を維持できる可能性があります。

自己破産のように借金を免除されるわけではないですが、借金の負担を大幅に軽減し、再出発を目指すことができます。

任意整理

任意整理は、弁護士が代理人となって、貸金業者と直接交渉し、借金の減額や分割払いの猶予を協議する手続きです。

裁判所を介さずに行うため、比較的迅速に解決できます。
ただし、自己破産や個人民事再生と異なり、借金の減額幅は限定的です。

自己破産

借金を返済することができない個人が、裁判所に申し立てを行い、借金の支払義務を免除してもらう制度です。

住宅や預貯金など、一定の財産は処分する必要がありますが、免責許可が得られれば、原則として全ての借金を免除されます。

ただし、免責不許可事由に該当する場合や、ギャンブルや浪費などで借金をした場合などは、免責許可が得られない可能性があります。

借金の負担を完全に消滅させることができますが、信用情報に7年程度記録が残るなどのデメリットもあります。

債務整理は、裁判所の介入を伴うため、慎重に検討する必要があります。条件や手続きが複雑なので、専門家に相談することが重要です。

専門家のサポートを受けよう

住宅ローン返済が厳しい場合は、まずはファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。

ファイナンシャルプランナーは家計の見直しなどで返済を継続する方策を提案してくれる可能性があります。

FP相談の結果、ローン返済を続けることが困難となり任意売却に進む場合には、任意売却を得意とする不動産会社に相談しましょう。

任意売却が認められないなどの理由で債務整理に進む場合には弁護士や司法書士に相談しましょう。

専門家は、状況を把握した上で、最適な解決策をアドバイスしてくれます。

まとめ

住宅ローン返済が厳しいと感じたら、早めに滞納前にできる対策を行いましょう。滞納してしまった場合は、すぐに金融機関に連絡し、対応を相談しましょう。具体的な解決策としては、金融機関への相談、任意売却、債務整理などがあります。住宅ローン返済に関する悩みは、一人で抱え込まず、専門家のサポートを受けましょう。

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