不動産投資における「積算評価」の高い物件の探し方:メリットとデメリットを徹底解説
不動産投資において、金融機関の評価を得やすいとされる「積算評価」の高い物件は、多くの投資家にとって魅力的な存在です。しかし、その評価方法にはメリットだけでなく、デメリットや注意点も存在します。
本記事では、積算評価の高い物件の探し方、融資への影響、売却時の税金など、投資戦略に役立つ情報を詳しく解説します。
目次
積算評価とは?
積算評価とは、土地価格と建物価格を合計することで不動産の価値を算出する方法です。金融機関の融資査定において広く利用されており、多くの投資家が注目しています。
積算評価は現在の物件をもう一度つくり直したらどれくらいの価格となるかを示すものです。コストを評価したもので収益性は考慮されていません。
積算評価の高い物件のメリット
- 客観的な評価基準:市場価格に左右されず、明確な基準に基づいた評価が可能。
- 金融機関へのアピール:多くの金融機関が融資の際の担保評価に積算評価を採用。
積算評価の高い物件のデメリット
- 収益性と一致しない:収益性の低い物件でも、土地価格や建物価格が高ければ積算評価が高くなる。
- コスト増加:建物の比率が高い物件は、固定資産税や修繕費用などのコスト負担が大きくなる。
- 売却時の税金負担:建物の減価償却の影響で、売却益に対する課税額が高くなる可能性がある。
積算評価の高い物件の探し方
積算価格のうち、土地価格は相続税路線価で評価されるのが一般的です。都心であればあるほど、実勢価格とのかい離が大きく、積算価格は低くなります。路線価と実勢価格の乖離が小さい都心から離れた物件のほうが積算評価は高くなります。
土地建物の大きい地方物件を探す
都心から離れた広い土地に建物が建っているアパートや地方のRC造マンションは積算評価が高くなります。
新築物件
積算価格は土地相当の部分と建物相当の部分とに分かれており、建物相当の部分が多くなる新築物件は積算評価が高くなります。
積算評価だけに固執するリスク
空室リスク:都心から離れた物件は空室リスクが高い
収益性リスク:都心から離れると家賃が安くなる。一方で管理費・修繕費は都心部とさほど変わらない。
コスト負担の増加:土地建物の大きい高積算評価物件は、固定資産税や修繕費用などのコスト負担が大きくなります。
売却時の税金負担:建物の比率が高い物件は、減価償却により取得費が小さくなり、売却益に対する課税額が高くなる可能性があります。
投資戦略に合わせた物件選び
収益重視:収益性を重視する場合は、積算評価よりも収益還元評価を重視して物件を探しましょう。
融資利用:収益還元評価を採用している金融機関もあるため、融資を利用する場合は、取引先の金融機関がどのような評価基準を採用しているのかを事前に確認する必要があります。
長期的な視点:不動産投資は長期的な視点で取り組む必要があります。積算評価はあくまで一指標であり、立地や周辺環境なども考慮して物件を選びましょう。売却時の税金も考慮して、投資戦略を立てましょう。
まとめ
積算評価は、不動産投資において重要な指標の一つですが、万能ではありません。
投資戦略や目標に合わせて、収益性やコスト、将来性などを総合的に判断し、適切な物件を選ぶことが重要です。