「不動産投資をするなら都心と地方どちらがいいか」不動産投資における永遠のテーマかもしれません。
都心の不動産価格は高騰しているため、利回りが低下しています。
そのため、利回りのいい地方都市の不動産を検討する方が多くなっています。
地方都市の物件には都心部と違ったリスクがあり、利回りだけでなく、リスクを理解したうえで収支を検討しなければなりません。
この記事では、地方都市の投資用不動産のメリット・デメリットを比較しながら、「不動産投資をするなら都心と地方どちらがいいか」を説明します。
目次
地方都市の投資用不動産メリット・デメリット
やはり地方投資の最大のメリットは利回りです。
都心部ではお目にかかれない表面利回り10%以上の物件もあります。
一方で人口減による空室リスクの高さが懸念されます。
有効求人倍率は改善しているとはいえ、日本の仕事の多くは東京圏に集中しています。
仕事のないところには、人が集まることはできません。
仕事をできないと生活ができないからです。
競争が激しいとはいえ、仕事のある東京圏は賃貸需要が高く、安定したアパート経営が見込める地域です。
地方不動産投資特有のリスク
地方都市で物件を買う人の多くは、東京など首都圏に住みながら投資をしています。
今は、多くの金融機関が地方の投資用不動産へ融資を行っているので、東京など首都圏に住んでいる人が、地方の投資用不動産を購入するケースが多いと思います。
しかし、金融機関が融資を引き締める(首都圏居住者の地方不動産への融資を行わない)となると、その地方都市の不動産を買える人が少なくなる(地元の人しか買えなくなる)ため、需給のバランスで不動産価格は下がってしまいます。
地方の投資用不動産の場合、購入時は融資が通れば問題ないのですが、売却時には金融機関の融資姿勢による価格変動リスクなど、都心の不動産とは違ったリスクが存在します。
現在でも、「自行の抵当権がついている物件への融資はしない」という金融機関があります。
その金融機関の抵当がついている物件は、自分が売却する側になった時に、買主が利用できる金融機関が1つ減ってしまうわけです。
しかも、その金融機関は、その物件に対して評価をして融資をしてくれた金融機関です。
購入時に、その金融機関しか融資がでない物件だったとしたら、今持っている物件は融資が通らない物件ということになります。
購入できる人が大きく減るのですから、需給の関係で物件の価格は大きく下がります。
これが地方物件の最大のリスクです。
地方物件の家賃大幅下落の可能性
地方物件は、購入時は利回りが高いためキャッシュフローが回るケースが多いですが、需給バランスが一気に崩れる可能性もあり(会社・工場・学校等の撤退など)、その場合、家賃下落率が都心では考えられないくらい高くなるケースもあります。
空室についても、地域によっては需要がそもそもない場合もあり、家賃を少し下げたくらいでは、どうにもならない場合もあります。
長い目で見れば上記のようなリスクがあります。
不動産は長期間保有して利益をだすものですから、リスクが大きいと言わざるを得ません。
利回りの高い物件を持っていれば、空室リスクが高くてもカバーできると考える人もいます。数字上はその通りです。
利回り12%で入居率が70%の物件Aと、利回り7%で満室の物件Bは、融資条件等が同じなら、物件Aの方がキャッシュフローは良くなります。
ただ、購入時の表面利回り5%の差は、運営を続けるうちに確実に縮まっています。
利回りが高いからリスクを承知で地方に投資をしたのに、結果的にそれほど大きな差がない利回りでリスクの高い物件を買ってしまうことになります。
地方は修繕費用の回収スピードが遅い
東京と地方都市の比較で同じ面積で家賃が半分というのはよくあることです。
原状回復工事だけでなく大規模修繕工事でも同じが言えます。
建物の面積が大きければ、それだけ工事費用は多くかかり、家賃は安いので費用の回収には時間がかかります。。
都心と地方どちらを選ぶべきか?
都心部の物件と地方の物件、投資するならどちらかというと、最終的には投資家自身の志向によるということになります。
上記のリスクを全て承知で地方に投資をして、高い利回りの物件が欲しいという人は、地方都市への投資を進めればいいと思います。
個人的な見解ではありますが、賃貸需要の高い都心部に比べて、地方都市の物件は上記の通りリスクが高すぎると考えています。
安定的な賃貸経営を目指すのであれば、首都圏での投資が良いのではないでしょうか。